マチポンブログ

言葉は生き物ではなく、単なる道具だと思う。

山口政行(政山)は私の祖父です

タイトルの通り、「山口政行(政山*1)」は私の祖父です。

なぜこんなことを書くかというと、「教えて! goo」に、こんな質問があるからです。

アメリカの友人が『政山作 摂津国 伊丹市』と記銘のある『兜をかぶった武者絵の大きな六角凧』の作者を探しています。Googleで調べましたが判りませんでした。
どなたかお判りならどうぞ教えて下さい。政山 和凧の作者 -アメリカの友人が『政山作 摂津国 伊丹市』と記銘- その他(芸術・クラフト) | 教えて!goo

私の祖父です。

*1:父曰く、号の「政山」は「まさやま」と読むそうです。

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ゼロから始める異体字の世界【レトロデザインのための近代日本語講座〈2〉】

今回は「異体字」についてお話しします。すこし専門的な部分もあるので、適宜不要な部分は読み飛ばすことをお勧めします。

こんな問題から始めてみましょう。世田谷区の区章とその説明文は以下のように書かれています。

外輪の円は区内の平和、中心は「世」の文字が三方に広がり、人びとの協力と区の発展を意味しています。世田谷区の紋章、シンボル | 世田谷区ホームページより)

「中心は『世』の文字」とありますが、そうは見えません。なぜこのような形なのでしょうか。

前回の記事

本記事は連載形式で、前回の補足のような内容になっています。前回の記事もご参照ください。

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旧字体とは?【レトロデザインのための近代日本語講座〈1〉】

はじめに

私はレトロデザインが好きです。

しかし、仮名遣いが「美しゐ」となっていたりして、もったいない、と思うことがあります。(当時も歴史的仮名遣いが厳格に用いられていたわけではありませんが、「美しゐ」と書く人はいないでしょう。)

そこで、トロデザインのために近代(明治~昭和初期)の日本語についてここにまとめることにしました

自分の勉強のためという意味もありますが、デザインの際の一助となれば幸いです。書いてみてから思いましたが、デザイン以外の時代考証にも有用かもしれませんし、単純に「旧字体」のことを知りたい人も読める記事になっています。

一気に書き上げるのは難しいと考え、少しずつ、連載のような形式で書き進めようと思います。

さて、最初のテーマの中心は「旧字体」です。

目次の表示/非表示
  • はじめに
  • 旧字体とは
  • 戦前の漢字の形は多様すぎる
    • 活字の状況
    • 手書きの状況
    • デザインの状況
  • まとめ
    • 次回の記事
  • どうやって調べる?
    • 明朝体や印刷の文字
    • 手書きの文字
    • 広告などデザインの文字
      • 新聞広告
      • 引札
      • チラシ・広告など
      • ポスター*7
  • 応援
  • 参考文献・使用文献
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新フォント「しょかきささぶね」リリース(付:手書きと文字コードの問題)

新作の筆文字POPフォント「しょかきささぶね」をリリースすることになりました!

この記事では、フォントの作成時に思ったことについてお話します。

フォントのダウンロードをされたい方は以下リンクよりBOOTHのページに移動してください。(会員登録が必要な場合があります。)

shokaki.booth.pm

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「しょかき楷月」詳解

この度、「しょかき楷月(かいげつ)」を正式にリリースすることになりました。

以前に作成途中の状態で公開していたもの(下記記事)の完成版です。

作成中のフォント「しょかき楷月」を公開します - マチポンブログ

この記事では、フォントの作成方法・作成中の苦労・字体の選定などについてお話します。

フォントのダウンロードをされたい方は以下リンクよりBOOTHのページに移動してください。(会員登録が必要な場合があります。)

「しょかき楷月」ダウンロードページ

shokaki.booth.pm

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2021/4/4の西日本新聞の内容に関する問い合わせ

2021/4/4付けで西日本新聞のウェブ版に以下のような記事が出ました。
www.nishinippon.co.jp
タイトルは「とめ、はねで1年生に0点 先生、厳しすぎませんか?」で、漢字の採点についての意見をまとめたものです。
Twitterのトレンドに入るほど話題になっていた記事です。

そこに掲載された「文部科学省教育課程課」の見解とされるものが、これまで文部科学省文化庁が言ってきた「緩やかな基準でよい」という内容と対立するようなものでした。
これは、教育者、研究者、また書道をする者として到底受け入れがたい見解でしたので、下記の内容で文部科学省文化庁両方に問い合わせを送りました。(4月5日23時ごろ)
まずはその問い合わせ内容からお読みください。

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